Closter Princess Record  イタリア・しっかり者の王女様


Itary Closter IIb?おお!クロスターIIaの改良機?聞いたこと無いな、安いぞ!即買いだ!

 ということで、我が家にやってきたクロスターIIB?やっぱりそんなカメラはありません。東ヨーロッパ出身の店主には、このカメラの由緒正しい出自がおわかりではありませんか? 本当のお名前は、クロスター プリンセス レコード妃、ちゃんと右胸に名札までおつけです。でも、解ってないぶん安くしてくれてありがとう。姉?のプリンセスは、連動距離計が内蔵されて1951年のお生まれ、妹のレコードは、多分その後の製造で、ダイキャストボディーなど部品はほとんど共通、ClosterのロゴPrincessのロゴ、裏ブタのはずれ方などが微妙に違う。


イタリア製カメラは、最近人気急上昇?なのか全般に高い。どのメーカーも大量生産した機種は少ないので、なかなかお目にかかることができない。JanuaやDUCATIなどは、Leicaよりはるかに高い価格で売買されている。いずれもデザインが美しく機能よりデザイン優先だったり、アイデア優先だったりするがそれなりの工業水準があるお国柄なので、機構的にも興味深い製品が多い。そんな中では、クロスター社は一眼レフのレクタ社から分かれた会社で中堅・普及機を製造していた会社なのだが、50年代後半に製造した子供向け輸出カメラ・スポルトのイメージが強いのか欧米ではまとめて、ベンチーニ並みの扱いなのだ。

だから値段はとっても安い。初期のクロスターや、プリンセスもまとめて安くなっている。しかし、現物は非常にしっかりした作りと仕上げで、デザイン的にもイタリアカメラらしく美しくまとまっている。プリンセスの最大の特徴は直進ヘリコイドの調節ノブが軍艦部上部の真ん中にある、これを回して合焦する。とんでもないところにあるように思うが、この機種の場合目測なので、眼視で測距→合焦→ファインダーで構図合わせ→シャッターを切る、という流れで矛盾はない。ど真ん中近いシャッターだが、これも右手の指はカメラを前後に包むように置くと人差し指が自然にかかる位置で、バルナックライカより握りやすいと思うし、左シャッターのエキザクタより断然使いやすい。


<巻き上げは、ノブ式、被写界深度目盛を兼ねている。
>ピントノブ、シャッター、フィルムカウンター、巻き上げノブの位置関係。セルフコッキングではないが、2重撮影防止装置付。

<シャッターは自社製と思われる、B.1〜1/300、のしっかりしたもの。レンズは3枚玉、ARIES 50mm F3.5、先端に内蔵フードがついている。
>巻き上げセットレバーは背面にある。

ボディーはダイキャストで、ごっそりはずれるコンタックスタイプ。プリンセスと裏ブタ形状が違う。あれ?じゃあダイキャストの型が違う?プリンセスの初期型は、クロスターIIのボディーを流用、途中からダイキャストを起こしたのかも知れない。
各部の作りや、メッキ、梨地仕上げなどきっちり出来ており同時代のドイツ製に引けを取らない仕上がりで、しかも流通価格は安い、イタリア、カメラ入門には最適な一台だと思う。

 


レンズカビ

レンズのカビは、購入後しばらく(1年ぐらい)放置していたため生えたのかも知れない?購入時はレンズはやや内部が汚れているな、そのうち清掃、と思っていたが、今回よーく見るとカビの足が見える。レンズユニットをごっそりと思ったら、シャッターはビハインドシャッターで、フィルム室側からは何も見えない。前面からの常套手段で飾り環を回すと、前玉がはずれ、前玉裏、2枚目前面のカビと汚れが取れた。見た目にもすっきり、ブルーのコーティングが美しい。実写ではボディー側には全く問題はなく快調、元の作りが良いのだろう。レンズの性能も下の通り、侮れませんイタリア。

レンズが3枚しか無いのによく写る。トリプレットの不思議?それにたいがい色再現が良い。新種ガラスなんか使わないから黄色みがかることもないからか?

 


ダイソー Kodak Gold ASA200 撮影地 近所
Closter ARIES 50mmf3.5  f8


赤い郵便ポスト

ピンクの家


うーん王女様のトリプレットレンズには脱帽である。トリプレットは当たり前だけど3枚しかレンズがない。でも、5枚も6枚も使ったドイツ貴族のレンズや、極東の殿様レンズより、なんともすっきり素直で賢く色艶やかに写る。「これで十分美しく撮れるであろう?」「はは!おっしゃるとおり何の問題もございませぬ!」家名に踊らされる極東の成り上がり者には、王様の耳の本当の姿はいつまでたっても見えてこない。

 



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