Yashica-44  初代シルバーグレー

 


1958年発売、初代シルバーグレー、ローライよりデザイン盗用で訴えられたことだけが有名だが、このカメラの実力は?

日陰の存在である。小さくてかわいい機種の多い4x4判カメラの中で、ローライから提訴され唯一ダーティなイメージがつきまとう。実際実物を入手するまでは、そっくりなコピーだと思っていた。ローライ・ベビーは、デザインとその大きさ、フィルムサイズからいつかは手に入れたいと思っていたが、そっくりさんを先に入手。本家の1/3値で流通しているのは、中古になっても変わらない。127のフィルムが一般的には入手しづらくなったので4x4判カメラは相対的に手頃な価格になっているようで、ありがたいことに入手はしやすく価格は安い。


127判フィルムは2005年2月現在、Maco製フィルムがネガ、ポジ、モノクローム3種とも京都のメディアジョイで入手できる。輸入代理店?のグレイスでは納期不明との返答をもらった。供給は不安定かもしれない。まあいざとなれば、120フィルムから切り出せば良いし、切り出して詰め替えたフィルムも販売されている。入手したヤシカ44は、簡単な修理と清掃後、会社の同僚(ローライオーナー)から譲ってもらった期限切れのKodakGoldフィルムで早速試写をしてみた。小さな2眼レフは、小気味よい使い心地で、写真の上がりも予想以上、これは良い!!

と言うわけで、密かに本家も入手して比較検討してみる。何かと影の薄いヤシカ44だが、分解などしてみると外観の一部のデザインと色使いを除けば、機構的にコピーをしたと思われる部分は皆無だ。発売年から考えて、ローライと同様の時期に開発を進めており、ローライの発売を見て急遽外観の色遣い、レンズ周りのデザインを似せたものと想像する。また、それだけで非常によく似た印象のカメラとなってしまい、それがデザイン盗用として提訴される原因となったのだろう。


<巻き上げ・ヤシカはクランク、ラチェット付き復元タイプで、スタートマーク式のセミオートマット。ローライはフルオートのノブ式。
>裏蓋にヤシカはスタートマーク確認窓 がある。 オートマットのローライには無い。

<合焦装置、外見はどちらもオーソドックスなノブ式で左側。きちんと調整されていれば、両者に差は無い。
>ファインダーは好みが分かれるところ。ローライのファインダーはあまりほめられない。

ヤシカ44のフィルム給送は、上から下に行いフィルムの安定性は良い、ローライやトプコンはオーソドックスな下から上でフィルム面はかなり不安定になる。巻き上げの内部機構などトプコンの方がローライの機構を改良しながらもまねている部分は多々見受けられる。外観のイメージを除けば、コピーと呼べる部分は無いようで、せっかくのフィルム給送やセミオートマット機構なども外観コピーだけが話題になり、評価されることが少ないのは損なカメラだ。それだけ良くできたカメラだからこそ、ローライの提訴となったとも言えるだろう。

 


ファインダーで無限遠が出ない、レンズの無限遠調整は面倒だなーと思いつつまずは、ファインダー分解。

本体のダイキャストは、やや厚めでずっしり重い。その分丈夫にできているのだろう。入手した個体は、けっこう手が入っている機種で、ファインダーのミラーは綺麗に清掃されていた。シャッターも巻き上げも、何らかのメンテナンスを受けたのだろう、快調に動く。しかしファインダーの無限遠が出ていない!しょーがないので、66兼用のピント確認装置を透明アクリルで作る。磨りガラスを使用しても良いが、透明アクリルの片面だけを、1000番ぐらいの研磨剤で磨くとちょうど良いピントグラスができた。

ピント確認装置で、ファインダーのピント位置と主レンズのピント位置が同じになるように調整する。縦に使うと44横に使うと66に使用できる。

ピント確認装置で見ると主レンズの、無限遠はきっちり出ている。ファインダーだけがずれている、ファインダーレンズを調整するためにはレンズボードをはずさなくてはならず、面倒。しかしファインダーをばらしながらよーく見ると、何とファインダースクリーンが表裏逆さまに入っているではないか!原因はこれだった。清掃後正常な位置で組み上げると、問題解決。多分前の持ち主は、気づかずに、ピンぼけしか撮れないこのカメラを安く手放したのかもしれない。

 


Kodak Gold GB127 ASA200 撮影地 六本木
ヤシコール 60mmf3.5  f3.5〜f8

トリプレットのヤシコールは、予想外によく写る。F8まで絞れば最新のレンズと遜色ないし、開放でも周辺の画像が流れるようなことは無い。レンズ構成が単純な分抜けが良い、カラーではクールで冷たい感じがするが、レンズそのものはなかなか侮れない性能だ。F5.6で十分実用になる。長めの焦点距離の良くできた3枚玉レンズは、レンズの枚数と性能が正比例しないことを教えてくれる。

 



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