Agfa Karat IV  Solinar 50mm f2.8


アグファ・カラット どーもイメージは2流だが実力はいかに?

折りたたみのできるスプリング式35mmカメラというのは、折りたたんでもほとんど小さくならず機構だけが複雑化してしまい、なんとも間抜けな形式だなーというイメージが強く、今まで触手が伸びないでいた。たまたま、中古カメラの同志がアグファのカラットを2台入手したので、調子の良くない方をタダで譲ってくれるとのこと、タダなら喜んでいただきます。ということで、アグファ カラットIVのゾリナー50/f2.8付がやってきた。これが間抜けなスプリング機構を含め、実に丁寧な作りで、当時のドイツの水準の高さが伺える機械だった。あらためて、ドイツのレンジファインダーカメラに興味がわいた一台。


2重像合致連動距離計、セルフコッキングなので操作性は迷うところ無く、通常のレンジファインダーとして完成されている。たすき式の伸縮機構を含め、各部の精度・強度は非常に高そうだ。

 


距離計連動ピン紛失、ヘリコイド固着、巻き上げ不良

金属部分の仕上げは、黄金期のドイツ製品らしい高級な仕上げ。ボディーはアルミダイキャストで、伸縮部はX形のがっちりしたたすきで、繰り出しても微動だにしない。全体に高い強度と精密感を感じられる、おぬしできるな、という雰囲気。フィルムゲートは存在するが、まだトンネル式では無く、スプロケットギヤの下にフィルムを挟み込む蝶つがい式の金具が存在している。レンズは、50mmF2のゾラゴンと50mmf2.8のゾリナーといういかにも強そうな名前のレンズが用意されていた。この個体は、距離計連動ピンが紛失しているのと、ヘリコイドが固い。

まずは、レンズボードからレンズだけを取り外す。背面からカシメリングをゆるめて、レンズユニット後群をごっそりはずしておく。
直進ヘリコイドを兼ねたレンズボードカバーも繰り出し部からはずしておく。  
軍艦部カバーをはずすと、連動距離計部分が見える。連動距離計もユニットになっているのでごっそりと取り外す。巻き上げに連動するギア部が露出する。巻き上げレバー復元用スプリング、ギア回りを調整注油。
レンズのヘリコイド部分を分解して、ネジ回りの古いグリスをベンジンにつけて落とす。古いグリスを落としたら、シリコングリスを薄くネジ部に塗布してヘリコイド部を再度組み上げる。
欠落してしまった、距離計とヘリコイドを連動する金具のピンは、ネジを削って自作。ダイアモンドヤスリで曲面を仕上げて、グリスを多めに塗って動作を確認。引っかかりもなくスムーズに動作。
はずした距離計ユニットはばらして、清掃。見違えるように見やすくなる。さすがにメッキ部は劣化もなくミラーの取り替えの必要もなかった。この辺の品質はさすがです。
ばらしておいたレンズ前群も枠から取り出して、清掃。すべて組み上げて、レンズの無限遠と距離計の狂いを調整。ピント位置を確認して完了。

 


Kodak Gold ASA200 撮影地 九州
Solinar 50mm f2.8 f4〜f11


ハウステンボス
無限遠の分解能が高い
ハウステンボス2
ぼけも比較的きれい
イカ釣り船
色はちょっと?

4枚構成のゾリナーは、いかにも切れの良さそうな名前だが、名前に負けず良いレンズだ。特に無限遠の分解能が高く、ネガをチェックするとびっくりする。テッサータイプの優秀なレンズだ。このレンズをしっかり保持する機械的な機構が十分な強度精度を保持しているので、レンズ性能を遺憾なく発揮できるのだろう。カメラはレンズだけでは成り立たない。

 



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