Canon demi


 キャノンの初代ハーフサイズ機

 ハーフサイズカメラというと、1960〜70年代のファミリーカメラで、旅の記念写真、家族写真に良く使われていた。中学生の時、暇だったので写真部に入った、一緒に入った友人のカメラが、キャノンデミ、私はリコーオートハーフだった。当時の少年達は最新鋭の一眼レフカメラにあこがれていて、何とか親をだまして私はペンタックスSPを、友人はキャノンFTをまもなく手に入れたことを憶えている。セレン式メーターと手動プログラムシャッターを備え、ピントはゾーンフォーカス、28mmF2.8レンズは準広角で使いやすい。少年時代にはもっさりして古くさく感じたデザインも今見るとなかなか良い。年を取った証拠だな・・・


まあ、そんなわけで世界同時不況のおり、少ない投資で楽しめる国産普及型レンジファインダーに手を出してみた。一時クラシックカメラでハーフサイズがちょっとブームになったころよりだいぶ値段が下がったようだし、市場に玉も潤沢にある。1500円で中古のキャノンデミを手に入れた。これは、オリンパスが先鞭をつけたハーフサイズに追随してキャノンが市場投入したデミシリーズの初代、確か1964年の発売だと思う。まあいろいろ不具合はあるけど、楽しく分解修理して、立派に撮影も出来て、この手のカメラは実にお得だな。

 


ファインダーくもり、メーター不安定、各部サビ、汚れ

放置されていた期間が長いためか、各部にサビ汚れがかなり出ている。レンズは汚れているが、大きな傷はなさそうだ。シャッターは元気で問題ない。セレンメータは、接触不良のようで反応が悪い。ファインダーは激しくくもっている、原因は無意味に大量に使われていたモルトとその接着剤が劣化して、ファインダーの接眼レンズを腐食させてしまったようだ。劣化したモルトは、ボディーも腐食し、粉末はボディー内を汚して始末が悪い。ばらして部材に分けて清掃、必要な部分は塗装することとする。

<裏ブタ内部は、モルトが劣化して回りを腐食させている。
>巻き上げレバーは、定石通りカニ目でカバーをはずしてバラス。このレバーの巻き上げ感触は非常によい。

<モナカ構造なので、貼り革下のネジを外さないとばらせない。
>モナカの皮と中身、中身は立派なダイキャスト構造、これでファインダー等の内部にアクセスできるようになる。

<軍艦部の中身、清掃と注油を行う。
>プリズムを内蔵したケプラー式ファインダー、うーん凝ってる。

さて、今回最大の難関は、ファインダーのくもり、主原因は接眼レンズが劣化したモルトの影響か、レンズ表面がコーティングごと腐食している。清掃してもきれいにならない。ここはいたしかたなく、研磨を試みる。接眼レンズは構造からミッテンズエーハイゲンのようなので腐食面は平面であろうと予測して、いろいろ試みる。で、結局、研磨の最終仕上げピッチ盤での研磨の要領でゴムシートをピッチに見立て研磨粉#30000番で研磨。これがうまくいきくもりは完全にとれ、ファインダーはよみがえった。ピッチ盤をプラ粘土で作ればRの深い玉もこの方法でいけるな、今度キャノンVILのレンズで試してみよう。


<ファインダーユニットを外さずに、接眼レンズだけ外す。カバーは接着止め。
>錆が浮き出た底蓋もはずす。各部のネジも錆びているので錆を落とす。

<各部金属部材は、必要な物は錆を落として塗装する。
>メッキ部分は、シルバーのタッチアップペイントで補修。レンズは表面汚れを清掃。

<セレン受光部、銅板部を接点回復剤を塗布、銅板を少し曲げて確実に接触するようにすることで復活
>モルトは使いすぎないように必要部にのみ貼り込む。

表面貼り革もグレーの物に張り替えると軽快なイメージとなる。対抗馬オリンパスペンと比べると、
●ダイキャストの技術が高いのか薄く軽い、カメラのホールディングが良い●巻き上げ、シャッターレリーズの感触は圧倒的にデミの方が良い●ファインダーは光学的には凝ってるけど見え方は大差ない●レンズ性能は、良い。オリンパスペンは、大変良い。

 


フジ リアラエース100
写真はクリックで拡大します。

Canon SH 28mm F2.8
F11 1/200(多分) 適度なコントラスト、ちょっと青が強いけど発色も良いようだ。しかしよーく見ると画面右端片ぼけ状態で、ごく端の解像度が微妙に落ちる。惜しいなー、ハーフサイズの28ミリという焦点距離は準広角で使いやすい。
Canon SH 28mm F2.8
F8 1/125(多分) 画面中央部の解像度は良い、階調も豊富、やはり右端、よーく見ると急速に解像度が落ちる、うーんF値に関係ないし、フィルムの浮き上がりでもなさそうだ。サービスサイズ同時プリントならほとんどカットされる部分なので、気にしなければ良い部分ではある。

Canon SH 28mm F2.8
F8 1/125(多分)
まあ、こういう物だと流れも目立ちません。このレンズ悪く無いけど、しかし全般的には、同時にテストしたオリンパス・ペンEEのDズイコー28mmF3.5の圧勝。オリンパスが良すぎたと言った方がいいかな、カメラの操作性はデミの方がいいんだけどね。

 



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