Bencini Comet III  Made in Italy.


OH! What a Italian camera is it?

イタカメである。イタカメとはイタリアの亀ではない、カメラである。しかしある意味では、イタリアのカメラはこのコメットのようにアルミ鋳物の甲羅で覆われていたりするので、カメかもしれない。立派な外観仕上げと単玉レンズのギャップがタコでもある。地中海に面しているのでどうしても海洋生物的なのかもしれない。純度の高いアルミを低温キャスティングし、表面をバフ仕上げでピカピカに仕上げている。シネカメラを模したデザインはなかなか見栄えも良い。3x4cmベスト半裁サイズで、127フィルムを縦送りしているが絶妙なデザイン配置でコンパクトに仕上がっている。


ピカピカで痩身なボディーはイタリアブランドのスーツを連想させる。このカメラには明るい日差しがお似合い、というか単玉なので明るい所しか撮れない。

フィルム室はごっそりはずれるタイプで、フィルム装填はある意味しやすい。アルミの低温キャストのボディーは意外と精度が高く、フィルム室とボディーの羽目合いは、大変スムーズ。精度の高いのが災いして軸受けのツバが厚いマコのフィルムは装填すると蓋ができなくなり使用不可。試写は金属製のスプールにまき直して使用した。Benciniはこれだけの製造技術を持っていながら、一貫して単玉、2速のカメラばかりを作り続けた。日本人には理解しがたいメーカーである。

レンズは、曲率の深い凸メニスカスの本物の1枚玉。綺麗な青いコーティングが施してある。距離はフィート表示だが無限遠から3ftまで目測、回転ヘリコイドで合わせられる。m表示の物も見たことがある。フィート表示は輸出用だろう。焦点距離は不明、シャッターはBと1/50の2速のみ、ファインダーは倍率が小さいがクリアーでよく見え、必要十分な性能。


赤窓は、2つ奥まったところにあり一応強い光を避けている、遮光板は無い。ベスト半裁なので、下の窓で数字を合わせ1枚撮ったら、同じ数字が上の窓にでるまで巻き上げて、もう一枚撮る。合計16枚撮りとなる。今のところ、このへっこみが効いているのかこの部分での光漏れは無い。

ケースは本革濃い茶色の仕上げだが、50年近い歳月を感じさせない作り。特に縫いひもがまったく補修された跡がなく、しかも解れも無く完璧な状態でイタリア革工芸の質の高さを感じさせてくれる。

 


ファインダー清掃のためにばらしてみる。


<前面化粧板のネジ三本をはずすと、>のようにレンズごとごっそりはずれてあわてる。化粧板と言うよりレンズボード。


化粧板をはずすと、シャッターの構造がむき出しになる。ボディーの外観に比べると、なんとも単純な構造。せめて1/125でもあれば、と思うのはみみっちい日本人的な発想?。絞りもF9ぐらいの穴がシャッターの後ろに開いているのみで、替えることはできない。あとはフィルムのラチチユード任せで、晴天野外でのみ撮影可。失礼、シンクロ接点とアクセサリーシューもあるので一応室内ストロボ撮影もできるはず。


<シャッターを押すと、バネに圧力がかかり、シャッター板を、バネの力で回転させる。>


<ファインダーは、上部のカバーネジをはずすと、カバーがとれて、接眼レンズと対物レンズにアクセスできます。
>コメットの全光学系、ファインダー2枚、主レンズ1枚、これで全部


光学系クリーニングの後に、コンパウンドで軽くアルミのボディを磨いて、ピカピカにしてやるとなかなか男前の姿となる。これでレンズ周りがもう少し優秀なら、イタリアを代表するカメラになれたかもしれない。

 


ピカピカボディーで冴えない日本の風景を撮る。

コメットに敬意を表すなら、六本木あたりで試写するのが似つかわしいのだが、日本の本当の姿に慣れてもらうため、多分日本の90%を占めるであろう冴えない田舎風景を撮っていただくこととした。
意外とやるなBencini、画面中心から50%ぐらいまでは、そこそこの解像力で看板の文字も読める。そこより外は急激に解像力が落ちる。
もう少し芥川商店に寄ってみる、周辺減光はネガを見る限りわからない、構図を選べばけっこう使えるかも。ピントリングがあるから近接撮影もしてみたい。スキャナで取り込みながら、4x3cmは、640x480と縦横比が同じことに気づき、一人感心する。今度からVGAサイズは、ベスト半裁比と呼ぶこととする。
こんなタコな風景を撮っている限りは、Leicaで撮ろうと、コメットで撮ろうと同じじゃん!そう、その通り。外に持ってでる物なんだから、服や、バッグのようにかっこよくなくてはいけない。Benciniさんあなたは正しい。

 



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