Kiev 88CM


ウクライナ、アーセナル製 120カメラ

 ソ連壊滅以降も、ウクライナ・キエフで安定した生産が続けられ、フォトキナや、米国PMAなどではブースも出していたのだが、ウクライナの政情不安が広がった影響なのか、2006年ごろから供給が止まってしまった。各地にあった代理店も縮小廃業を余儀なくされているようだ。いつでも買えるから、と入手を見合わせていたらいきなり入手困難機種になってしまった。いつもキエフ製品を購入していた米国の代理店Kievcameraは、閉鎖されてしまい、今は何とアダルトサイトになっている。慌てて捜したが、こうなるともうどこにも新品はない!Kievcameraの残党らしき販売店を見つけ、かろうじてあるらしい在庫を発注したのが06年末、


しかし、全然来ない、メールの返事も無し、PayPalを利用していたので、クレームシステムを使用して代金を回収してもらう。今度はロシアの販売店で見つけて、発注。やっと来たのがこれ。そんな状況だから、まともじゃないかもと思っていたが、予想外に良い(ソ連レベルの)製品だった。まあ、いろいろあったけど正常動作の製品で良しとするか?
 さて、このKiev88CMは、Kiev80をベースに各種の改良を加え、レンズマウントをPentacon6マウントにしたものだ。ZeissのP6レンズがそのまま使えるのがうれしい。Kiev6ともレンズが共用できるので便利。手持ちのZeissレンズはすべて問題なく取り付けられた。

シャッター幕は、Kievお得意の金属幕シャッターから、布幕の縦走りシャッターに変更になっている。シャッター速度は1/1000まであるけど、1/1000はかなり怪しい。さらにシャッターボタン位置の改良、ミラーアップ機構、等が加えられている。製造番号から2006年製、本来はクランク巻き上げになっているはずなのだが、こいつはなぜか普通のノブ、うーん部品が無かったのかなー?まあしかし、この機種をガシガシとクランクで巻き上げるのは危険なような気もする。ファインダーは、ウエストレベルファインダーとスポットTTLファインダーが付いている、ウエストレベルはちょっと問題があったが、TTLは特に問題なし、ファインダースクリーンは、スプリットマイクロ式


スクリーンのピント位置と実際のピント位置は、良くあっているようで、Kievのカメラはこの辺はいつも、きちんと調整がされている。私のカメラだけかも知れないが、日本の一流ブランドでもここがダメなやつがいるんだよなー(F1)。無限遠が来ないカメラもあったモンな(OM-1)。1が付くとダメなのか?
新型フィルムバックも、問題なし、そういえばファインダーはハッセルにも使えるがフィルムバックはダメらしい。このカメラ、ハッセルのパチモンと良く言われるが、うーんそうなんだろうけど、2次対戦中のスウェーデンとドイツZeiss jenaの関係、その後のソ連による接収、ご先祖Saluteが、1957年という早い時期に発売されていることなど・・・謎が多いな。

 


ウエストレベルファインダーのピント

 新品だから異常があってはならない。日本人のこの常識は世界のグローバルスタンダードでは無い。まあ、物を作らない米国人のグローバルスタンダードなんぞそんなモンなのだよ。経験的には、キエフは致命的な故障は、少ない。今回大手術が必要な欠陥は無かった、唯一ウエストレベルファインダーを付けるとピントが合わない。やばい、レンズ回りか?とあせったが、どうやってもファインダースクリーンがはっきり見えない、ばらしてみると、ファインダーのルーペの曲率が強すぎる、こりゃ他の物と間違ったな!。Kiev66用ウエストレベルファインダーは、88用に66用アダプターが付いているだけなので、これをはずして付けてみると問題ない。強遠視用の特注品??

とりあえず、TTLファインダーがあるのであまり使う機会は無いだろうし、66用と兼用できるから、まあいいか。もっとも心配だったのは、フィルムバックからの光漏れ、しかしこれは、新型になったせいなのか、まったく問題なく杞憂に終わった。そういえば、ご先祖のサリュートでもこの問題は無かったな。ボディーとの相性の問題とよく言われていたが、噂だけなのか?今度手持ちの旧フィルムバッグも使ってみよう。そういえば、66で光漏れのような現象が起きたときは、原因は布シャッター幕の接着不良だった。(接着剤の接着力不足で、だんだんはがれてくる)

 


AGFA APX100 
写真はクリックで拡大します。

ARSAT 80 80mm F2.8
F5.6 1/250 KIEVのレンズ(アーセナル)はどれも破綻のない、優秀なものが多い。このレンズは、同じP6マウントのZeiss Biometerと比較しても遜色ない、というかこちらの方が、開放付近の描写は良好、最短距離も短く使いやすい。その安っぽい外観からは想像できない。Biometerは、Zeissらしく?癖が強い、開放付近はまるで、ソフトフォーカスレンズのような描写なのだが、これがまた良い!こちらは、また日を改めてご紹介したい。あたりまえかも知れないが、2006年製も以前買ったARSAT 80と変わらない描写、仕上げも変わらないように見える。

 



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