「小型ではあるが、透明度高く美しい晶簸を多出した。」と季刊水晶にはある。たくさんの坑口があり昭和初期まで稼働していたようだが近辺に超有名産地が多いせいかあまり知名度が高くない。従って資料も少ない。しかしWセンセが比較的詳細な資料を発掘、抗口の大まかな位置がわかったため、1泊2日黒平の旅の初日に向山鉱山を探査することとなった。

←とっこ穴ズリから採取。大型でマリモ入り。

 11月19日 Wセンセ、秘境K氏、私の定番トリオで出撃となる。冬晴れ快晴で、標高1000mを越える現地は藪も枯れて山中の標本採取には最適な天候。資料によれば中に入れるはずの林道入り口ゲートが閉まっていたので、その前に車を止めて林道を数百m歩くこととする。まあ後から考えるとこれが間違いの始まりだったような。林道はあまり使われた様子がなく、道は荒れていた。

 途中崩落している部分などあるが、平馬沢ぞいに道は続く。崩落部分は典型的な風化花崗岩で、いかにも水晶の出そうな感じだったが、先を急ぎ平馬沢を上流向かって右手に渡り、御巣鷹山東斜面山頂付近をめざす。目印になるはずだった砂防ダムは、実はまったく目印にならない。この沢は砂防ダムの展示場みたいな沢で、ほとんど50mおきに砂防ダムが存在する。

この林道を途中右岸に渡るという記述を信じて、早めに渡河したがこれは間違いで、林道がなくなり踏み分け道の最終地点を渡河するのが正しい。正確には”正しかった。”上流向かって右岸には道はほとんど存在しない、伐採のための道跡を藪漕ぎしながら進む。夏ならまず途中リタイアだろうな、また左岸林道側はさらに藪が濃く、なぜこんなに放置されているのか不思議でもあった。

結局林の中を右往左往しながらも、御巣鷹山の山頂を目印に進む。平馬沢の支流の沢を登らなければならないのだが、途中何本も沢はあり、非常に間違いやすい。またほとんど道は存在せず、踏分跡もわかりずらい。このルートは一人では入らない方が無難だろう。結局我々は、ルートを見失ったが、それらしい沢沿いに上り詰めるだけ上り山頂から再アタックしようということで道無き道を山頂めざす。

しかし山頂目前の急斜面に入ると、いきなり大きな石英塊がごろごろ出てきた。水晶もあるではないか!おお!神は我々を見放してはいなかった。まもなくズリ跡らしい場所にたどり着き、ハンマー片手に喜々としてズリに取りつく三人だった。ちらばる水晶片は、数は多くはないがでかい、品もよくニマニマの三人でもあった。霜柱と水晶を時々間違えながらもそこそこの採取となった。

結論から言うと、やはり我々は道を間違えていて、目的の出穴抗の隣沢のとっこ穴と呼ばれる抗口に偶然たどり着いていたのだった。しかも翌日確認のため再び訪れ、ゲートの開いていた新林道を車で上ると、なにー!ほとんど御巣鷹山山頂間近まで車であっさり行けちまう。そーいえばこの道必死の藪漕ぎ最中にちらちら見えていたような?しかも道の途中に怪しい落石の固まりを発見。なんじゃこりゃこんな所に水晶が!?

で、上を見るとそれらしき地形を発見、資料とつきあわせるとここも別の抗道跡であった。しかし林道のために切り通しとなりアタックはかなり困難、沢登り名人秘境Kさんがアタックしズリと坑口らしき地形を確認する

向山の坑道は、主な物で17あるがどの坑道への道もなかなか困難な道で、平馬沢沿いの旧林道の道が途中から消えているため、かなりわかりづらいだろう。一人で行くのは避けた方がよい。たどり着ければそれなりの成果は出せそうな産地ではある。

そこそこでかい平板水晶もあった。双晶の可能性も0ではなさそうだ。

透明度はやや落ちるが、肌荒れや磨りガラス状ではない。川端下産に比べるとずっと上品

ズリ表面近く、浅いところ。掘ってもあまり出てこない。小型の水晶はまったく見かけない。

マリモ入り平行連晶、ズリの入り口すぐの表面にあった。

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