渋沢鉱山は自宅から最も近い産地で、電車で行ける産地である。小田急線渋沢駅は、丹沢の山裾神奈川県秦野市にある。渋沢鉱山では、石膏粘土層の中に形の良い黄鉄鉱の結晶が採取できるらしい。せっかく近くにあるので、補助エンジン(次男)をお供に、大型単結晶を採取すべく電車で出撃となる。 新宿駅から小田急線急行で1時間少々、



昔は林業と畑作を中心とした農村だったはずだが、真新しい分譲住宅も目立ち静かな田舎町と郊外が混在している。渋沢鉱山は、渋沢の南方、峠という地域にある。真新しい駅の南口、区画整理がほぼ完了した駅前のバス停から、峠ゆきというバス便が1時間に1本程度あり、鉱山は終点の峠地区にある。歩いても30分程度の距離なので、ウォーキングを楽しむのも良いだろう。

ミニバスは10分ほどで、終点峠に到着する。ここから峠の集落を抜けて、市見川沿いの小道に入る。地図があればまず間違えることはないだろう、ほぼ市見川の流れに沿って行けばいい。この日は、遅れた紅葉と静かな集落のたたずまいを楽しみながら鉱山跡に向かうこととする。


峠の集落を抜けると、市見川沿いの道は舗装道が終わり、鉱山跡へと続く小道となる。←←←

→→→丸太橋を渡り、右岸の鬱蒼とした小道を進む。

やがて第一の坑道がある、この坑道はずいぶん奥まで続いているように見えるが、今回は坑道用装備はないので、見学程度。ざっと周囲を見たところここでは、特に目立つ物はない。もう少し先まで進むとやがて、秦野市教育委員会

の説明看板のある、坑道前に出る。渋沢鉱山は、昭和20年代後半まで石膏を採掘するために稼働していたこと、縦坑がいくつかあったこと、小規模な鉱山だったことなどが説明看板からわかる。

黄鉄鉱の産地は、この説明看板の下の市見川の崖に面して、粘土層の露頭がありこの粘土層の中に黄鉄鉱、高温石英などが入っている。

露頭はかなり掘り込まれてるが、足下の粘土層や河原の砂などにも黄鉄鉱のキラキラした粒は見える。雪花石膏の母岩に黄鉄鉱が付いた物もあった。さてここでの採集方法は、粘土層をじっくり観察して、黄鉄鉱がキラキラと光る部分の粘土を集中的にシャベルですくい集める。適当にたまったところで、ざるか目の細かいふるいで、選別する。

黄鉄鉱の結晶は小さい単結晶は数ミリ大なので、ふるいの目は細かい物が必要。微結晶の固まりは、5ミリから1cm程度の物まであった。河原の砂はパニングして選別しても良いかもしれない。すぐ脇が河原なので、バケツはわざわざ必要ないだろう、河原の水を利用してふるいがけし、泥を落としながら選別していく。

大きさをいとわなければ、すぐに黄鉄鉱の結晶は見つかる。はじめは喜々として集めていたが、さすがに12月の沢水は冷たい!30分ほどで、手が動かなくなる。しかしそこそこの量の鉱物を採取できたので、早々に採取は切り上げることとする。後からご同業の方が一人やってきたのでお

話を伺うと、ここより下流には露頭はなく坑道も見つからない、鉱石ラジオ用の石を探しにきたとのこと、うむ、趣味もいろいろである。帰りは、冷え切った体を温めるため渋沢駅までウォーキング、下りなので楽々。朝出てお昼過ぎには終了の全行程半日の探査であった。

黄鉄鉱 FeS2
渋沢鉱山の黄鉄鉱は小粒(数ミリ)だが、正八面体の単結晶が多く美しい。

黄鉄鉱と母岩
母岩が、赤い(赤紫)マンガン鉱物かな?白い部分は堅石膏?

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