2006年7月29日 信州 麻績村の水晶
山間の隠れた小産地


 麻績村の水晶は、あまり有名ではない。林道工事のために削った壁面に見える第三期のれきを含む堆積岩に、貫入したように入った細い石英脈の中、風化花崗岩の層の中にひっそりとある。元来大規模な鉱物資源が期待できる地層では無いので、林道工事で偶然発見されるまで、深い山中で眠っていたものと思われる。長野県の地学ガイドブック等に記載もなく、資料は少ない。少ない資料の中では、小規模なこと、ハーキマー並みな透明度があること等の解説があり、今回は、鉛沢新産地探査に破れたWセンセ、Kさん、と私の固定メンバーで、小諸の観測所に前泊し現地へいざ出撃となる。
 もしかしたら産地横付け?という期待の下北側の林道入口から、入るが藪が深く途中断念。歩いてもそんなに距離のない南西側入口に回る。林道途中の広場に車を置いて、てくてくと現地をめざす。
 林道は、この一帯に広がる松茸山を管理するために利用されているようで、それなりの利用目的はあるようだ。山梨県の目的不明林道よりはかなりましか。良く手入れされた赤松林は、松茸山となっており、「入山すると罰金 30万円 山主」などという脅し看板が林道脇に乱立、秋はとてもこれそうもない。それにしても、この手の看板が長野県は異常に多い。山菜、キノコ山には幟や、看板で必ず見かける。実被害もあるんだろうが、ちょっと県民性も誤解を生みそうなので、別の方法を考えられないのだろうか?けちくさくていけません。道にはれきを含む堆積岩の壁は見かけるが、それらしいものは見えてこない。
 所々崩れたところもあるが、れきだったり、粘板岩だったりして、石英などまったく見かけない。大きなれきの壁を過ぎると崩れた壁がある、崩れたところが風化花崗岩と粘土のようで色が赤いものが多い、よーくその転石と粘土の山を見ると、所々キラリと光るものが!あるある!小さい水晶がころころと転がっている。ザックを置く間も惜しんで、転石に取りつく3人だった。転石のでもとは、壁の上方に掘り込んだ跡があり最初鹿が掘り込んだ跡?と思ったが、先人が上部で掘り込みそのズリが林道脇に出来ているという図であった。このズリはここのところの大雨で洗われ、表面にキラキラと光る水晶が見えるという理想的な状況だった。ここには、そのような小規模のズリが3箇所ほどある。しばらくここのズリで楽しんだ後、他の水晶ポイントを捜してさらに林道を進むこととする。
所々先人の試掘の跡があるが、あまり出た様子は無い。ポイントは限られていて、特に新産地は出ていない。
そのほか林道沿いには、何カ所か水晶が採れるポイントがある。岩盤の隙間にに挟まれる石英脈を掘り込んだ所では、かなり掘り込まれて先端は穴が細いので、激やせしたWセンセに入って様子を見てもらう。カンカンやる気力は無いので、周辺の転石から小さなものを見つけて終了。ここは過去に小さいが結構な数の水晶が出たらしい。
Kさんに教えてもらったがすぐに忘れてしまった、台湾から飛んでくる蝶。
帰りは、切明温泉によってみる。村営の宿泊宿で、日帰り温泉は400円。お風呂はすいていて良かった。
 最近各地で産地が荒れる話を聞く、今回林道の帰りにセミプロ?らしき人を見かけた。いつも思うのは、各地の鉱山のズリ跡をせいぜいシャベルでほじくる程度で、そんなに荒れるものか?観光地並に大勢で押しかければ荒れるだろうが、そんなに同好者の数がいるものなのか?という疑問があったが、今回見かけた人の装備を見て荒れる原因を納得「根こそぎ持ち帰ります装備」なのだ、産地までは軽トラ(地元ナンバー)で横付け、大型の鍬でズリをあさる。持ってる装備がやはり半端じゃない。大型バール、ロングドライバー、折りたたみの根切りノコ、巡検スタイルとはほど遠い、山師スタイル。うーん、マナーなど言っても無駄。この手のオッサンが入れるところは、採取禁止か絶産になるしかないかも知れない。

すべてズリから拾った物。小さいが透明度が高い。輝度があってハーキマー並の輝きがある。完全な両錘は見かけなかった。
松茸水晶を多く見かける。内包物、気泡等が良くある。1本だけ草入りがあった。

 

 

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