川上村より八ヶ岳を望む

 鉱物マニアの皆様、例年に比べ暖かい日が続く今日この頃ですが今年最後のあがきにどちらかにはお出かけされましたか?我々は2000mを越える山中の探査には、少々遅すぎないか?という不安を抱えながらも冬眠前の目の保養として、小川・梓1泊2日合宿を計画しました。

←小川山周辺は、花崗岩の奇岩が目立つ。

ロッククライミングの名所でもあり、練習場も多い。→

 今年の合宿は、当初足尾・銀山平の予定だったのだが、メンバーの予定が合わず、この時期に少々無謀か?と思いながらも小川山・梓鉱山を巡る、1泊2日湯沼鉱泉合宿となる。2日目荒天が予想されるため、初日は資料が少ないのだが急遽小川山の水晶調査となり、Wセンセ、K隊長、筆者のクリスタルトリオで出撃!途中中央道の事故渋滞にはまるも、金峰山荘駐車場に10時半頃到着。

 この日の天気は快晴、やや冷え込んだがこの時期としては暖かい、雪の心配もなく絶好の探査日よりとなる。金峰山荘からの道は途中までは整備された登山道というよりは工事用林道で、砂利道で歩きやすくは無いがまったく危険は無い。ロッククライマーがたくさん出撃しているようで、岩場へ入る道の目印があちこちにある。コルゲンコーワの回し者が目印としてさらし首になっていた。

 登山道は西股沢に沿って瑞牆山・金峰山方面へとつながるのだが途中いくつかの支流が入っている。この支流に転がる石にも、小さな晶洞を伴う物があり、ハンマーで叩くとなかなか立派な物が手に入るようだ。途中砂防ダム脇には、実際採取した跡があり多数の水晶・石英小片が転がっていた。この先の道のりを考えると山に不慣れな方はここで採取するのが安全だろう。

 金峰山荘駐車場から1時間ほどで、西俣沢に別れを告げて小川山に続く支流沿いの道に入る。気温は汗をかかない程度に適度に低く、きわめて順調。道の壁面には、つららが下がっている。

 この道路沿いの転石や、壁面をよく観察するといたるところに石英塊や、水晶片、壁面にはガマらしき穴などがあり、いやが上にも調査隊の期待は盛り上がる。

 山体がややもろい花崗岩でできているためか、いたるところで山が崩れている。それによって人間の生活に影響が及ぶとは思えないほどの深山だがそれでも砂防ダムはある。

 途中大きなガレ場を越えて、沢筋に入りいよいよ踏分道を詰めていく。この沢には水晶がついた石がたくさんあり、注意深く見ていると分離結晶すら転がっている。駐車場から約2時間ほどでガレ場の合流点のような地形に出るが、ここの転石にはいよいよ水晶を堕胎した物が増えてくる。記述に従い特に水晶片がついた物が目立つガレ沢を詰めて見ると上部ほど水晶付が多い、ガレの終点から苔むした森に入ると、ガレ沢の水晶の出元が判った。

 森は鬱蒼とした木々に覆われ、地上の表面には苔がびっしり生えているのだが、木々の根本は空洞になっている物が多く、その根本から水晶片をつけた岩石があちこちに顔を覗かせているのだ。さらに森を斜面に沿って登るとびっしりと水晶片をつけた3mほどの石塊が転がっている。よく観察すると苔の下の母岩たちもほぼ100%水晶がついている。小さいが透明な輝度の高い水晶で、噂通りの産状。しかしほとんど人の入った気配が無いのが気にはなったが、固い母岩に手こずりながらも、少量のサンプルを手にすることができた。

 デジカメの電池が寿命を迎え、森の中の写真が撮れなかったが、先達の記述にあるような産状であり、森のほとんどの石塊には水晶がついていて、ここの産地は異様に広いと思われる。しかしほとんど人が入った気配が無いこと、紫、煙など色つきを見かけない、黄鉄鉱もまったく見かけない、峰からはかなり下の位置にあるなど事前情報との食い違いが謎ではあったが、水晶採取もでき意気揚々と今夜の宿泊地湯沼鉱泉に引き上げる調査隊だった。

←湯沼鉱泉のお風呂
すべての謎はここで解ける!核心はその2へ!

石英質の母岩は固く採取は少々手こずる。水晶の透明度は高い、両錘ではないがまるでハーキマーのようなつやがある。この山は、ほとんどこの手の水晶のついた大小の石英質、花崗岩の石塊で構成されているようだ。樹木の大きさから数百年前に山塊が大きく崩れ水晶を堕胎する石塊で斜面が埋まり、その後その上に森が広がったのではないだろうか?

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